ずんだもちのすみのほう

まんなかのほうは、あなたへ。

経済学に何ができるか

こんばんは。

お盆休みがあけて、もう、悲しみしか残っていない、ずんだです。

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もう、仕事に対するポジティブな意見とか、全く聞きたくない気分ですね。

ほんと、金!金さえあれば!働かない!!!

さて、そんなことを言っても欲しいものは欲しいし、

生活をしていかなくてはいけませんので、私は働くのですが、

そんな流れで今日の本です。


経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書)経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書)
(2012/10/24)
猪木 武徳

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とりあえず私を救うことは出来ないかな・・・?

 概して政策論議が熱してくると、「制度」の由来と存在理由そのものが忘れられ、その制度が「合理的でない」という一言ですぐさま「抜本的改革」の論議に移ることがある。(中略)しかし現実には人間が完全な知識を持つ合理的な動物ではないからこそ「制度」によって人間を縛り、賢明かつ合理的にする、という側面があることを見逃してはならない。人間は、両立しえない二つの(二つ以上の)欲求を同時に満たそうとすることがある。自由であると同時に平等でなければならない、という欲求はその最たるものであろう。ひとつの精神が、同時に相矛盾する二つの心情を持ち、その双方を受け入れることが出来る。

 こうした「二重思考(double thinking)から自由でない以上、われわれをなんらかの形で首尾一貫した判断の主体とするような(consistentにするような)規制なり制度が必要になってくる。

 約言すれば、本書の目的は、人々の間における価値の相克と分裂、そしてひとりの人間の内部での価値の相克と分裂、この双方を意識しながら、経済学の制度や慣行を学びなおす材料を提供することである。

様々なテーマに対し、経済学の古典を引用し、経済学からみた見解やそれに至る経済学の経緯を説明し

最終的に経済学に何が出来るかをまとめようとした本です。

まとめようとした本、と書いたのは、まとめ方が・・・・雑・・・。

沢山のテーマを経済学という切り口から見るのは楽しかったのですが

やや、とっ散らかってしまっているのでは・・・という印象でした。

経済新聞に連載してた記事をベースにしているからなのでしょうか、

ただ、言葉の定義や、ある思想までの歴史的な説明は丁寧にされていていたように思えます。

個人的には色々な題材を説明し、問題定義したあとに、著者の意見をもっと書いてくれたらナァと思いましたが、

前書きにあるように、「経済学の制度や慣行を学びなおす材料を提供すること」が目的だそうなので、

そう思えば大変満足いく一冊。

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序章で紹介されているアダム・スミスの『道徳的感情論』、面白かったです。

スミスは、人間は基本的に他者が自分をどう評価したか、どう見ているのかという意識から自由になれないそして、その観点から人間を二つの形に分けたそうです。

「賢い人」と「弱い人」

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「弱い人」は世間一般の評価を重視する、うぬぼれや野心を持った人間、そして「賢い人」は自分の中にいる「偏りのない観察者」に従って公正で醒めた判断と行動が出来る人間だという。

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「賢い人」は、自己制御ができるが、「弱い人」は、世間からの賞賛を求めながら野心と虚栄心に突き動かされてしまう。

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スミスは、実は(世間の評価を重視し)野心と虚栄心に突き動かされている「弱い人」が、他人から賞賛されたい、他人から注目されたい、と考えてきたからこそ、そのエネルギーによって経済社会は多くの富を創造することができたとしているそう!

確かに!思い当たる節はありますね!

そんな「弱い人」はどのようにしたら上手くいい影響ばかりを産み出せるようになるのでしょうか。

気になった方は是非この本をよんでみてください。

また第8章の「消費の外部性」で語られている「流行と美意識」から

「流行」の問題、それはひとつの財が圧倒的な勢いで市場を制覇したために、競争的・代替的な関係にあった財が市場から駆逐されてしまい、少数派の嗜好が消費の選択肢から消えてしまうというケース、と著者は考えていて、

その例が日本の温泉宿としています。

確かに、旅行のパンフレットを見るとどこも似ていますね。

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市場とデモクラシーをとおして多くの社会が経験してきた「画一化」の浸透によって、少数派の洗濯の自由が狭められてきた問題、と言いかえが出来るとか。

ふむふむ、そうかもしれません。

デモクラシーが多数派の力で、少数派を圧迫するように、消費者は、「何かを選ぶこと」によって、結果として市場に大きな影響を及ぼしているので、責任を持ってメディアや流行に流されず、賢い消費者になることは大切ですね。

この点に関してトクヴィルは下記のように考えました。

民主制のもとでは国民は、概して生活を美しく飾るということを目的とする芸術よりも、生活を楽にするのに役に立つ芸術を好んで育てる傾向にあるという。彼らは習性として美しいものより役に立つものを好み、美的なものが同時に有益であって望む。

さて、自分はどうか・・・と考え

明日からの買い物に備えたいものです。

第9章、 「中間組織の役割」の章から

アメリカではかなりの結社があるそう。

アメリカでは10人に7人がひとつの結社に所属していて、さらに4人に1人が4つ以上の結社に入っているそう。

個人主義化と思っていましたが案外繋がっているのだな・・・と思いましたが、

個人主義だからこそ、みたいです。

著者が引用したトクヴィルの文

民主的な国民にあっては、市民は誰もが独立し、同時に無力である。1人ではほとんど何をなす力もなく、誰一人として仲間を強制して自分に協力させることはできそうにない。彼らはだから、自由に援け合う術を学ばぬ限り、だれもが無力に陥る。

さて、日本でも最近個人主義が重視されてきたように思えますが、

アメリカとは違う方向のように思えます。

どのように思想が発展していくのか、楽しみですね。

さてさて、こんな感じでいろいろなテーマに合わせ、経済学からの視点で説明されていくこの本、

「健全な懐疑主義」になるために、お勧めします。

お勧めしますが、答えははっきりと書かれていませんので、

考え事が好きな人に、ものすごくお勧めします。

面白かったです。

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